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皆さまこんにちは。 「ADPAニュースレター」2019年3月号(Vol.010)をお届けします。
まずは先回のペーシングです。
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…近年の心理学や精神医学、経済行動学などによると、感情を押し殺すと理性が働かないという研究結果が発表されています。 感情はむしろ「理性を強化するもの」であり、感情は「意思決定するために不可欠」であるとされ、人が生み出す成果や幸福のすべてが、感情によって生まれているとも言われています。 人間の行動には全て目的があるように、感情にも目的があります。 そして必ずその背景には肯定的な意図があります。…。
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質問の効果
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コーチングは、基本的にコーチがクライアントに質問することで進みます。
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人間は質問されることによって、どのような影響を受けるのでしょうか?
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例えば、セミナー講師が受講者に対して次の2種類の発言をしたとします。
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「今日私が選んだネクタイの色は何色に見えますか?」
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1つ目の情報提供より、2つ目の質問形式の方が、受講者の意識を自分の方に向けたり、注目度を高める効果があるのではないでしょうか。
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このように質問には、相手の意識を動かす力があると考えられます。
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人間の脳の特徴
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ここに示す画像は、何の絵に見えますか?
ウサギに見える人やアヒルに見える人がいると思います。
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面白いことに、ウサギを見るとアヒルが見えなくなり、アヒルを見るとウサギが見えなくなります。「両方見える」と言う方も、実は瞬時に切り替えているだけで、同時に見ることは至難の業です。
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このように、人間の脳は同時に2つ以上のことをとらえるのが苦手です。
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これと同様に、人間の意識も、1つの事を考えると別の事が考えられなくなります。
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例えば、テレビのクイズ番組を観ながら、明日の仕事の段取りを考えることは難しく、やろうと思うとどちらかが上の空になってしまいます。
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質問は「1つしかない焦点」を自在に動かすことができる強力なツールとなります。
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質問には「焦点を動かすこと」と、もう一つ「脳に空白(わからないこと)を作る」という働きがあります。
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人間の脳は安心・安全を求めています。そのため「わからない状態(混乱)」が発生すると、早くその「空白」を埋めようと、一生懸命答えを探します。
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もし答えを探すことを諦めても、無意識下では探し続けます。 これを「空白の原則」といいます。
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気づきのメカニズム
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- 普通の質問:「何がしたいですか?」
→「旅行がしたいです」
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※ いつも考えていることに焦点が当たっているため、気づきは生まれません。
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- 焦点化の原則を使った質問:「あなたの命があと1年しかなかったら、何がしたいですか?」
→ 「…時間に限りがある場合は何をするだろう」「…今やりたい事以上に大事なことって何だろう」など、これまでとは違う領域に焦点が当たり、脳に空白ができます。
脳の空白を顕在意識で埋められない場合は、莫大なパワーを秘めている潜在意識まで使って答えを出すことに力を尽くします。 その結果、気づきや発見が生まれます。
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人生を変える気づき
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歴史に名を遺した偉大な人物や天才と呼ばれた人達も、ユニークな問いに対する答えを模索し、大きな気づきや発見を得ています。
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- あなたはなぜ、あなたなのですか?(パスカル)
- 「美」とはなんですか?(ダ・ヴィンチ)
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- なぜリンゴは木から落ちるのですか?(ニュートン)
- 「時間」とはなんですか?(アインシュタイン)
- 「病気」とはなんですか?(ナイチンゲール)
- 「勝利」とはなんですか?(ガンジー)
- あなたはなぜ生きるのですか?(ソクラテス)
- 「人間」とはなんですか?(カエサル)
大きな気づきは生き方を変える力すらあります。その気づきは「質問」から生じます。
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質問の質が人生をつくる
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人間は一日に800回以上自問自答すると言われています。
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つまり「焦点」と「空白」の連鎖で生活しているということです。
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「もうお昼の12時だ(焦点)」→「今日は何を食べようかな?(空白)」→「美味しいラーメンが食べたいな(焦点)」と言った具合です。
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昼食メニューの空白と「なぜ生きるのか」の空白とでは、気づきの有無、自分の考えや行動に差が出ることは容易に想像できます。
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今までにない「焦点」と「空白」が気づきを生み、「焦点」と「空白」の質が人生の質を決定すると言っても過言ではないでしょう。
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コーチングが有効な理由は、今までのパターン化された「焦点・空白」が、新しい「焦点・空白」に変化する質問を提供できることと、その結果、気づきが生まれたり、新しい生き方を選択することが可能になるためです。
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