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皆さまこんにちは。 「ADPAニュースレター」2019年12月号(Vol.019)をお届けします。
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自分の気持ちに気が付いていて、それを相手にきちんと伝えられる。 そして、相手の考えや気持ちもしっかりと聴いてあげられる。 自分も相手も尊重するので対話が始まり、意見が違っていたら、お互いが納得できる方法を探る。 このようなアサーティブなコミュニケーションが取れれば、コーチングは必要ないかもしれません。
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しかし、アサーションの土台となる自他尊重が無い場合は、コーチングを活用してください…。
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予言の自己成就
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「予言の自己成就」とは、アメリカの社会学者マートンが名付けた言葉です。
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たとえ根拠のない予言(噂・思い込み)であっても、その話を信じた結果、それが現実化してしまうことを指して言います。
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- ある銀行が危ないという噂を聞いて、人々が預金を下ろすという行動をとることで、本当に銀行が倒産してしまう
- 「きっと自分は失敗する」と思い込んでいる受験生が、勉強もせずにくよくよと悩むことに時間を浪費し、実際の試験で本当に失敗する
このように「人間が思っている通りの事が現実に起こる」という見方は、多くの心理学でも採用されている考え方です。
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認知論
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アドラーは認知論で、「すべての物事は、その人の思い込みでできていて、人生は思い込みで決まる」と述べています。
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この認知を持っている限り、人はそのとおりの行動をしていきます。
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逆に、 「私にはこういう能力がある」 「人は信頼できる」 「私は明るい性格で友達も多い」 などの認知を持っている人は、その通りになるような行動をしていきます。
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仮にこのような認知が事実でなかったとしても、アドラーによればその認知によってその人の人生は決まるということです。
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1マイル4分の壁
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認知が人に与える影響について、興味深い話をご紹介します。
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欧州では、1マイルレースという人気の高い陸上競技があります。 長い間記録が更新されず、37年ぶりにフィンランドのパーヴォ・ヌルミが1マイル4分10秒3の記録を樹立したのが1923年。
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もうこれ以上の記録は出せないだろうと専門家は断言し、1マイル4分を切ることは人間には不可能というのが世界の常識とされていました。
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世界中のトップランナーたちも「1マイル4分」を「brick wall(れんがの壁)」として超えられないものと考え、エベレスト登頂や南極点到達よりも難しいと言われていました。
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ところが、オックスフォード大学を卒業したばかりのロジャー・バニスターは、トレーニングに科学的手法を持ち込み、自分のコンディションを科学的に分析し、2人のチームメイトにペースメーカーを依頼し、4分の壁を破る偉業を成し遂げました(1954年)。
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面白いことに、バニスターが1マイル4分を切ってから、46日後にはライバルの選手がバニスターの記録を塗り替え、いったん「4分の壁」が破られると、次々に3分台で走る選手が続いたのです。
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この出来事は、心理的な壁がいかに人間の行動に影響を与えるかをよく表していると思います。
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正に認知が人間の行動に変化を及ぼし、人生を作っています。
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メタ認知とクリティカル・シンキング
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実は私たちが意識レベルでとらえている物事は、僅か3~7%だと言われています。
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つまり、私たちが形成している世界観や人間観は、この5%前後の情報が基になっているということです。
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私たちのセルフイメージや自己肯定感なども、この僅かな情報と体験から出来ています。
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このような頼りにならない情報や体験で物事を判断するよりは、残りの95%前後に目を向けることが大切ではないでしょうか?
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コーチは、この95%の中に莫大な価値が眠っていると考えます。
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ここにアクセスできるように促すのがコーチの仕事ですが、ここでは自分でできる簡単な方法をご紹介します。
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◇ メタ認知 自分の認知を認知することです。つまり「日常的に自分が考えていることを、改めて考えてみる」ということです。
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例えば、 認知:「疲れたなぁ」 メタ認知:「今私は『疲れたなぁ』と考えている」
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メタ認知:「今私は『どうしよう時間がない』と考えている」
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メタ認知によって、普段気が付かない自分の「思考の癖」が分かったり、自分の認知を客観視することができるようになります。
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「懐疑的視点に立った思考」という意味ですが、否定や反対することではなく、良い意味で疑うことです。
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上記「メタ認知」で気が付いた考えに対して、「それって本当?」「どうしてそう思う?」と考えてみることです。
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クリティカル・シンキング:「本当に時間が足りない?」「何故焦る気持ちが出てくる?」「時間内に終わらせることは何故必要?」「この状況でベストな選択は?」
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このように考えることが出来るだけでも、思い込みが解消したり、新しい視点で今までにない気づきや選択肢が増えたりして、認知の変化が期待できます。
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◇ ADPAサイト / 最新記事:無意識の自動運転
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