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皆さまこんにちは。
「ADPAニュースレター」2019年7月号(Vol.014)をお届けします。
まずは先回のペーシングです。

…私たちは言葉や行動で表さなくても、無意識のエネルギーを発しています。
無意識なので自覚はほとんどありません。

教育心理学の分野に「ピグマリオン効果」というセオリーがあります。教育者の生徒に対する「見方」が、生徒の学習成果に影響を与えるという考え方です。
教師が「天才の生徒」と見るのか「落ちこぼれの生徒」と見るのかで、成績が変わるということです。

私たちが良好なコミュニケーションをとるためには、無意識レベルで相手を受け入れ承認しているかどうか、にかかってきます。
どんなに言葉で取り繕っても、無意識のエネルギーが伝わるからです…。

詳しくはアーカイブをご覧ください。
https://adpa.site/psychology/unconscious/unconscious-energy/

今回のテーマは「原因論と目的論」です。

原因論と目的論

指を指す
コーチングやNLPを学んでいると、アドラーが源流となっている考え方を多く見つけることができます。

その一つに「目的論」があります。

私たちは日常的に「原因論」で考えることが習慣になっています。
例えば、機械が故障したら悪い箇所を探します。原因が特定できればパーツを交換するなり修理すれば元の状態で機能するようになります。

人間に対しても、何か課題や問題があれば全く同じ方法で対処しようと考えます。
仕事が上手くいかなければ「何が悪かったのか」、子供に問題がおきたら「どうしてそうなった?」と原因を探します。

「私がこういう人間になったのは、過去にあんなことがあったから」や「今までこうだったから、将来はこうなるだろう」と過去の原因を理由に未来を予測するのも「原因論」と言えます。

機械であれば「原因論」で解決できます。
それは、元の状態が「完成品」であることと、一つひとつのパーツで切り離せるからです。

ところが、人間に対して「原因論」でアプローチすると、解決どころかかえって問題を大きくしてしまう危険すらあります。

何故なら、人間は完成品ではなく成長段階のため、問題を取り除くことが、本人や周りにとって本当に良いかどうかは、別問題であるからです。
そもそも、それが本当に問題かどうかも曖昧です。

もう一つは、問題の原因を指摘されると、他の所までダメなような錯覚を起こしたり、人格まで否定されるような感性を人間が持っているからです。

こうなってしまうと、勇気をくじかれ、良い所までどんどん発揮できなくなってしまいます。

隠れている目的

不登校
アドラーは「原因論」を否定します。

「人間の行動には全て目的がある」これがアドラーの「目的論」です。

「原因があってそうなった」のではなく、「目的があるからそうしている」ということです。

例えば不登校の子供がいるとします。

一般的には、何故学校に行かないのか原因を探ります。これが「原因論」です。
クラスで何かあった・先生に問題があった・勉強したくない・本人の性格・親子の問題…。

「目的論」は、本人が望まない行動であっても必ずそこに目的があり、目的を達成するためにその行動を起こすと考えます。

例えば、「親に注目して欲しい」「人間関係で傷つきたくない」「自分だけの時間が欲しい」「先生に対する復讐」等々。

原因と思われるものを操作したところで、目的が果たされなければ解決しません。

目的が発見できれば、その目的を満たす別な方法を探すことによって、その行動をとる必要がなくなります。

更にもっと先の目的、例えば「本当は何がしたい」「将来どうなりたい」「自分にとって何が大切」など、より上位にある目的を一緒に探してみます。

そして「それを叶えるためには、今の状況をどうすれば良いと思う?」という観点で考えられれば、今までにないアイデアやより適切な判断に繋がるでしょう。

目的を知ることが重要

目的論
私たちは何かを変えたいと思う時に、ダメな所・出来ていない所、その原因に目を向けて、「それを変えることが先決だ」と思いがちです。

過去の出来事が原因で、その影響があるため無理だ、と諦めてしまうケースもあるでしょう。
今までこういう思考パターンの中で生きてきたため、それが常識的な考え方となり、完全に身についています。

しかし「目的論」に立脚したコーチは「そもそも何のため?」「本当はどうなりたい?」「何が大事なの?」という問いかけをします。
本当の目的を知ることができれば、新しい生き方を選択することが可能になります。

「本当にそうなりたい」「絶対それがしたい」と心から願えば、人間は変われます。
本当の目的を知ることが何よりも重要です。

おばあちゃんの奇跡

おばあちゃん
有名なコーチから聞いたお話(実話)です。

あるおばあちゃんが癌を患ってしまいました。
一度は直ったものの、再発してあちこちに転移してしまい、かなり重篤だったそうです。
普通のお医者さんは「どのように治療していくか」などを、患者さんや家族の方々と相談すると思いますが、そのお医者さんんはちょっと違っていました。この方はNLPを学んでいたそうです。

「○○さん、癌が直ったら何がしたいですか?」

おばあちゃんはなかなか答えられなかったそうです。そもそも病気が治ると思っていなかったからです。

しばらくしてから「孫とフランス旅行に行きたい」と答えました。
その後楽しい会話が続いたそうです。

おばあちゃんの人生は「病気を治すこと」が目的ではなく、もっとやりたいこと・楽しい事があるはずです。

目的をはっきりさせることで、生きていく勇気、希望が生まれてきます。
その後、このおばあちゃんは癌細胞が消えて見事に回復したそうです。

思考習慣を変える

視野が広がる
私たちは、人間の感情や行動、出来事に対して「何が原因でそうなったのか」という「原因論」で見る癖がついています。

今後は「そうする目的は何か」という「目的論」に切り替えてみることをお勧めします。
上手くいくと、本当に大切な事に気がついたり、視野が広がりクリエイティブなアイデアが生まれやすくなったりします。

出来ない原因を探す習慣ではなく、「本当はどうなりたい?」「何が大事?」を常に問いかける思考習慣を持てば、役に立たない考えや行動をとる必要がなくなり、本来自分が望んでる生き方にシフトしていくことが出来ると確信してます。

文責:相澤雅夫
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