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皆さまこんにちは。 「ADPAニュースレター」2020年9月号(Vol.029)をお届けします。 まずは先回のペーシングです。
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……チャンキングとは、物事を細かくしたり、細かいものをまとめたり、横にずらしたりすることによって、対象のイメージを具体的にしたり、目的や意味を明確にしたり、選択肢を広げたりする思考のスキルです。
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1本の「木」を見る場合、より小さなかたまりとして、「葉」「枝」「幹」「根」のように分けられます。 これを「チャンクダウン」と言います。
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より大きなかたまりとしては、「林」「森」「国土」「地球」のように表現することもできます。 これをチャンクアップと言います…。
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「雑談力」よりも大切なこと
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最近書店でよく見かける「雑談力」をテーマにした本。
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ビジネス書のランキングにも入ってくる状況を考えると、仕事の人間関係や営業成績などにも関係してくるのでしょうか?
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確かに「話が上手な人」「話が面白い人」の方が、人間関係が円滑で、仕事にも良い影響がありそうです。
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しかし、経済の専門誌で興味深い記事を見つけました。 主旨をまとめると、以下のようなことが書かれています。
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- 営業職で、「雑談力」はあるが成果が出ない人、寡黙で人と話すのが苦手だが成果を出している人がいる
- つまりビジネスの現場には、「雑談力」だけでは通用しない大事な局面がある
- 「仲良くなる」と「信頼を勝ち取る」とは違う
私はこの記事を読んで、「コーチングのスキルに似ているな」と思いました。 コーチングでは「ラポール(信頼関係)」を最も重要視します。
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ラポールとは
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コーチングでは「信頼関係」「心のつながり」「親密さ」という意味で「ラポール」という言葉が使われます。
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どんなにコーチングのスキルを使っても、ラポールが築けていなければ、空しい結果に終わります。
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信頼できない人からの言葉は、たとえ正論でも受け入れ難いし、耳の痛い話でも、信頼できる人からであれば聞く耳を持ちます。
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コーチングに限らず、ラポールはコミュニケーションにおいて最も大切なものと言えるでしょう。
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ラポールの作り方
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では、ラポールを作るためにはどうしたら良いでしょうか?
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- ミラーリング
相手の動作やしぐさに対して、鏡のように合わせること
- ペーシング
相手のペース(話し方・呼吸・リズム・スピード等)に合わせること
これらは意図的にラポールを作る手段になりますが、もっと本質的にラポールを構築するためには、私の「人間としての在り方」が重要になってきます。
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その1つが過去の記事でもご紹介した「承認」になります。
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承認とは、評価をせずに「ありのままの相手をそのまま受け入れる」ことです。
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なかなか心を開かず、本音を言えないクライアントがいるとします。
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例えて言うと「鎧を着ている」状態です。何故鎧を着ているかと言うと、身を守るためです。
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鎧は、戦争時には役に立ちますが、平和な世界では必要ありません。
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重量があるし視野も狭くなり、着ているだけでエネルギーを消耗します。
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人との壁を作る人、常に緊張している人、本音が言えずストレスを溜めている人などはこの状況ではないでしょうか。
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ラポールを築くためには、鎧を脱いでもらう必要があります。
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イソップ童話に「北風と太陽」というお話があります。
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旅人の上着を脱がせるために、北風が力いっぱい吹いても、旅人はしっかり上着を押さえ、太陽が温かく照らしてあげると、旅人は安心して上着を脱ぐというストーリーです。
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もし、コーチ自身も鎧を着て「あなた鎧を脱ぎなさい」と言っても、クライアントは頑なになるだけでしょう。
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まずコーチ自身が鎧を脱いで、無防備になることでクライアントも安心して脱ぐことができます。
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クライアントに心を開いてもらうには、相手から見てあなたが安全・安心な存在であるかどうかが大切です。
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コーチが心を開いて、場合によっては「自己開示(私はこういう人間)」し、相手をありのまま受け入れる「承認力」を持ち、傾聴することでラポールは築かれます。
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ラポールの本質は、テクニック以上に「人間に対する誠実な姿勢」です。 どんな行動にも肯定的な理由があり、過去の経験によって鎧を着て身を守ったり、自分の正義のために、攻撃的になったりしています。
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外的なテクニックに見える「ミラーリング・ペーシング」も、「相手の世界観を尊重」しなければ、本当の意味で効果はありません。
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ラポールの関係が築かれると、無駄なエネルギーの消耗がなくなり、本来持っている無限の創造力を発揮することができるようになります。
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