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皆さまこんにちは。
「ADPAニュースレター」2022年8月号(Vol.052)をお届けします。

まずは先回のペーシングです。

…三角柱のそれぞれの面に書かれているのは次の三つです。
  • 悪いあの人
  • かわいそうな私
  • これからどうするか
カウンセラーは、この三角柱を相談者に渡し、「どの話をしても構わないので、これから話す内容を正面に向けるように」と指示すると…。

詳しくはアーカイブをご覧ください。
https://adpa.site/coaching/adlers-triangular-prism/

今回のテーマは「メディアリテラシーとコーチング」です。

メディアリテラシーとコーチング

SNSで情報のやり取りをすることが当たり前になり、リアルなお友達でなくても容易に繋がりを持てるようになりました。

便利になった反面、扱い方を誤ると人間関係に支障が出る危険もあると感じています。

実際にあった私の体験から、バーチャルとリアルのコミュニケーションについて考えてみます。

有り難迷惑な情報の転送

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何年か前に一度だけお会いした方から、メッセンジャーアプリに引越しのご挨拶が届きました。

その後、こちらから返信もしていないのに「心温まるお話」とか「可愛い動物の動画」とか「ワクチンの危険性」などが次々に送られてきます。

    本人の意見はほとんどなく、どこかで拾ってきた情報をそのまま転送する形で送られてくるので、「ちょっとマナーの悪い人だな」と思いましたが、詐欺のような悪意があるものではないし、どうやらこの方は本当にそれが良いものだと思っている節があるので、しばらくはそのまま放置しておきました。

    しかし、これが1年以上も続くと我慢の限界となり、意を決して次の内容を伝えました。
    • ネット上で拾ってきた情報の転送を相手が必要かどうか確認せずに送り続けるのは迷惑行為
    • 送る相手がそれを必要としていたり、喜んでいるのであれば良いが、私には不要
    • 私が関心のあるテーマで、ご自分の意見を述べて「あなたはどう思うか?」という投げかけなら理解できるが、他者情報の丸ごと無断転送はお控え願いたい
    ここまではっきり伝えたのは、この方がコーチングの勉強をしたことがある人だったためです。
    ※ 仮にこの方を「Aさん」と呼びます。

    メディアリテラシー

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    このようにメディアリテラシーの低い方は、特に中高年で、よく言えば人の良い方が多いと感じています。

    つまり、自分が感動したり驚いたり役に立つと思った内容を、誰かに教えてあげようという善意が動機の大半だからです。
    しかし、いくら善意であったとしても、背景には次のような問題をはらんでいます。

    ◇ 送る相手の状況や気持ちを考慮していない場合
    • 相手はこの情報を知らないだろう → 情報弱者扱いをする
    • 相手はこの情報を好むだろう → 価値観の押し付けをする
    • 相手の役に立つだろう → 独善的で上から目線
    ◇ その情報が真実であるかどうか考慮していない場合
    • 正しくない情報を拡散することに加担する
    • 間違っていた場合、相手に迷惑をかけ、軽犯罪になる危険もある
    ◇ 一時的な感情で行動している場合
    • 外部の意見に振り回され、自分軸で生きていない
    • 転送することで、ブレている自分に他人を巻き込む

    コミュニケーションスキルがメディアリテラシー・情報リテラシーに直結

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    私は長年出版社とweb系の仕事をしてきたため、情報の扱いと質には敏感なつもりです。

    しかし、Aさんは私の経歴を知りません。

    つまり、相手の立場を知らないまま、情報を送りつけてくる形です。
    パティシエに「ケーキ作りの基本」や、プロのカメラマンに「写真を綺麗に撮るコツ」を、あえて送ることはない思います。

    ましてや、犬が嫌いな人に「犬の動画」、不妊で悩んでいる人に「赤ちゃんの動画」を送れば、嫌がらせになります。

    コーチングのセンスを磨くために「洞察力」が必要、と私はセミナーで伝えています。

    洞察とまではいかなくても、相手に関心を持ち、どんな人なのか、どういう状況なのかを知ることは、コミュニケーションを円滑にする上で大切です。
    分からなければまず聞くことから始めます。

    その上で、伝えたいことがあれば自分の言葉で意見を述べます。

    相手の状況を知らずに、自分の意見も添えず、第三者の意見や表現をそのままぶつけるのは、コミュニケーションが破綻するだけでなく、最悪の場合は相手を侮辱したり、相手に対する攻撃になってしまいます。

    メディアリテラシーや情報リテラシーの低い方は、情報の扱い方以前に、リアルなコミュニケーションにも問題があるのではないかと感じています。

    例えばAさんの場合、実際に対面して会話した印象と、ネットでの情報発信の振る舞いが、相手の立場・状況・考え方を理解せずに、自分の価値観を押し付けてくるという点で一致しているからです。

    メディアの使命は人を幸せにすること

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    デバイスがどんどん使いやすくなり、世界中の情報にアクセスするのも、誰かに転送するのも簡単に出来ます。

    テクノロジーを活用してみたくなる気持ちもあるでしょうし、価値ある情報を誰かに送りたくなる気持ちも理解できます。
    大切なのは、何を主体に考え行動するかです。

    私の目的に対して、このツールは何のために使うのか。この情報は私が今抱えているタスクの役に立つのか。どうしてこれを誰かに送りたいと思うのか?

    自問してみて、自分の目的・目標・タスクに役立ちそうであれば大いに活用したら良いし、全く関係なかったとしても、「少し疲れているから癒されたい」とか、「お笑いで元気になる」等々、そのつもりでコントロールしていれば問題ないでしょう。

    「誰かに送りたい」気持ちがある場合は、「何のためにそれをしたいのか」も自問して見る必要があります。

    例えば、「一緒に共感したい」「その人を喜ばせたい」という感情的なものから、「こんな情報も知っている」「このようにツールを使いこなしている」という自己アピール、「真実はこれだ」「これは許されない」という正義感や使命感など、様々な種類の動機が考えられます。

    送ることの意味が理解できれば、相手にとって、自分にとって送ることが良いのかどうか、より正しい判断に繋がると思います。

    問題なのは、無目的で何のためにこれをしているのか分からない状態です。
    自分軸ではなく他人軸で生きていると、ネットの情報に動かされて自分の目的を忘れてしまいがちです。

    私は人生の主人公であり、自分で自分を変える力を持っています。
    本来メディアの使命は、人々を幸せにするために存在しているはずです。

    コーチングのスキルを少しプラスしてメディアリテラシーを向上させれば、私の目的実現をより加速させることになるでしょう。
    文責:相澤雅夫
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