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新年最初の「ADPAニュースレター」2021年1月号(Vol.033)をお届けします。
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長文になるため、今号は前編、次号に後編と、2回に分けてお届けします。
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心の時代
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「21世紀は心の時代」と多くの人が語って来ました。
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「20世紀は幾つかの戦争を教訓に、民主主義に舵を切り経済最優先で国(日本)を復興させてきた。
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しかし、物の豊かさだけでは本当の幸せを得られないのが人間であり、これからは心の豊かさが重要視される時代になる」
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現状はどうでしょうか? 自殺・他殺、いじめ・虐待、家庭崩壊、格差社会、環境破壊、競争社会…。
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まだまだ心が平安に過ごせる世の中にはほど遠い気がします。
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心の病
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精神障害の診断基準としては、アメリカ精神医学会が作成したDSMや世界保健機関によってつくられたICD(国際疾病分類)があり、日本の医療関係者にも用いられています。
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DSM-5の日本語訳を見ると、カテゴリーだけでも22項目に分類され、さらに各カテゴリーの中に細かい分類がなされ、精神疾患の膨大な量に圧倒されます。
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これだけ研究されている分野であっても、原因不明の精神疾患が多いのは何故でしょうか?
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脳の損傷など、明らかに根拠の有る症状は分かりますが、身体には問題の無い心の病の場合、状態を明確に伝えることが困難なため、「それは病気なのか甘えなのか」という混乱が学校や職場で発生する事例を耳にすることがあります。
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医学的見地ではなくコーチングの観点から見ると、精神疾患を持つ方々に共通する特徴として、次の2点が挙げられます。
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心の病に共通する特徴
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「テレビで自分のことが話題になっている」「ずっと監視されている」など、
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実際にはないことを強く確信したり、「自分は天皇家の子孫である」などと思い込む「妄想」は、物事を客観的に見られない代表例です。
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摂食障害で、平均値より遥かに少ない体重であっても「まだまだ太っているから体重を落とさなければならない」と思い込んでいる人も、物事を客観的に見られない状況に陥っています。
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強迫性障害という病気があります。 手を石鹸で何度も繰り返し洗ったり、長時間シャワーで体を洗い続けたりします。 本当はそうしたくなくても、やめることができず自分の行動をコントロールすることが困難です。
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鬱病を患ってしまうと、著しく気分が落ち込み、集中力がなくなったり、イライラしたり、ボーっとしたりして今まで出来ていた事が出来なくなります。 会社に行こうと思っても身体が動かないなど、自分の意思や目的と行動が相反するようになります。
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ある臨床心理学の文献によると、心の病の背景にあるのは「不安」と説いています。
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不安が大きくなると、物事を客観的に見ることが出来なくなったり、自分の思い通りに行動することが難しくなります。
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不安は直ぐに解消できれば良いのですが、不安がどんどん大きくなると厄介です。
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まず不安が大きくなると「怒り」に発展します。 怒りの中には「破壊衝動」があり、物を壊したり、誰かを傷つける行為に繋がることもあります。
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「子供の帰りが遅い」=「不安(何かあったのでは…)」
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→「遅く帰宅」=「怒り(こんな時間まで何してた!)」
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このような種類の不安や怒りは、どなたでも経験があるのではないでしょうか?
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さらに、正体の分からない不安、又は自分ではどうすることもできない不安は「恐怖」になり、「恐怖」が大きくなると「絶望」になります。
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上記の例のように「子供が心配」から発生するような「不安」は、決して悪いものではありません。
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しかし「不安」の種類によっては「怒り」となり、破壊衝動を持ったり、「恐怖」や「絶望」に発展すると心が病んでしまい、いわゆる精神疾患になる危険があります。
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