メタモデルは、NLPで紹介されている代表的な質問のスキルです。
私たちは自分の体験を人に伝える時に、全ての情報を語ることはありません。
例えば、「昨夜友達と二人でレストラン行きました」
「料理も美味しかったし、とても雰囲気の良いお店でした」と話します。
本来は五感を通してあらゆる体験をしているはずですが、会話を成立させるためには、一部の情報しか表現することができません。
人間は、体験した全ての情報が無意識の中に収められると言われています。
しかし、その体験を言語化するためには、深層部にある完全な情報から、一部の情報だけ表層部に取り出すことになります。
NLPでは、この一部の情報を取り出す際に3つのフィルターが働くと説いています。
このフィルターによって、「自分ならではの心の世界」が創られ、場合によっては、「固定観念」や「思い込み」などを作ってしまうことになります。
3つのフィルター
3つのフィルターとは、「省略」「歪曲」「一般化」です。
メタモデルは、これらのフィルターを通して出て来た言葉の背後にあるものを読み取るためのスキルです。
それぞれのフィルターの特徴と、それらを解きほぐすための質問のヒントをご紹介します。
◇ 省略:
話し手が一部の情報だけを伝えるので、聞き手が状況の全体像を掴めない。
単純に言葉が抜け落ちているものから、何を指しているのか不明な言葉遣い、比較対象・判断基準などが省略されているパターンがある。
「仕事で失敗した」
→「誰が失敗した?」「どんな仕事?」「失敗っていうのは?」
「みんなスマホ使ってるよ」
→「みんなって具体的に誰?」「何のために使ってるの?」
◇ 歪曲:
自分の思い込みや憶測で、話の真意や意味を歪めてしまうこと。
「上司に挨拶しても無視される。私は嫌われているんだ」
→「その人は、その時何をしていましたか?」「他の人には無視しませんか?」「どんな挨拶をしていますか?」
「仕事を休んだら会社に迷惑がかかる」
→「具体的にどんな迷惑になりますか?」「仕事を休まなければならない大切な用事は?」
◇ 一般化:
一部の情報や経験を根拠にして、それが一般的(普遍的)に当てはまると決めつける。
「この目標は達成不可能だ」
→「何がそのように思わせているんですか?」
「子供は親の言うことをきくべきだ」
→「もし、子供を自由にさせたらどうなりますか?」
つっこみ愛
メタモデルは、相手の体験を具体的に理解するために、情報収集を行う質問です。
質問によって、相手の無意識の中に隠れている意図を引き出すことが可能です。
但し、質問する動機を誤ると、相手の不備を「つっこみ」、「揚げ足取り」になる危険があります。
あくまでも、より相手のことを正しく知りたいという「共感」のためであり、愛を持って質問することにより、相手の「気づき」が促進されます。
愛をもって「つっこむ」ことを、私たちは「つっこみ愛」と呼んでいます。
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