神話学者のジョゼフ・キャンベルは、世界中のあらゆる時代の神話や伝説を研究した結果、英雄のストーリー展開には共通する一連の流れがあることを発見しました。
それを「ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)」と呼んでいます。
NLPでは、このヒーローズ・ジャニーを8つのステージで紹介しています。
- 天命: Calling
- 旅の始まり: Commitment
- 境界線: Threshold
- 守護者(メンター):Guardians
- 悪魔(敵・試練):Demon
- 変容:Transformation
- 課題完了:Complete the task
- 故郷へ帰る:Return home
各ステージのシーンを簡単に見ていきます。
8つのステージの意味
- 天命: Calling
天から使命を授けられます。平凡な日常から非日常的な出来事が起きます。例)
・スターウォーズ(エピソードⅣ):レイヤ姫からの「Help me !」
・ハリーポッター:魔法学校から突如入学許可証が届く
・マトリックス:プログラマーのネオにモーフィアスがコンタクトを試みる - 旅の始まり: Commitment
天命を受け入れることができず拒否したり、戸惑いや葛藤が生じますが、最終的には新たな旅に向かうことになります。 - 境界線: Threshold
慣れ親しんだ場所から未知の場所へ足を踏み入れるステージ。
その境界線を越えるために、勇気や覚悟が試されます。例)
・スターウォーズ(エピソードⅣ):叔父さん叔母さんが殺され、新たな旅への決意をする
・ハリーポッター:「9と3/4番線」の壁に突っ込む
・マトリックス:「赤いピル」と「青いピル」どちらを飲むのか選択を迫らる - 守護者(メンター):Guardians
境界線を越えると、メンターと呼ばれる師匠や、仲間・協力者など自分を助けてくれる存在が現れます。仲間たちと共に困難を乗り越え成長していきます。例)
・スターウォーズ(Ⅳ):オビワン・ケノービー、ハン・ソロ、チューバッカ
・ハリーポッター:ダンブルドア、ロン、ハーマイオニー
・マトリックス:モーフィアス、トリニティー - 悪魔(敵・試練):Demon
最大の試練が訪れます。悪の帝王のような敵が現れたり、自分の内面との戦いの場合もあります。例)
・スターウォーズ(Ⅳ):ダースベイダー
・ハリーポッター:ヴォルデモート
・マトリックス:エージェント・スミス - 変容:Transformation
悪の勢力を打ち倒し、又は内面の戦いを克服し、次第に英雄へと変容していきます。 - 課題完了:Complete the task
課題を完了したことで、改めて旅の意義や意味を悟り、最も大切なことに気がつくステージです。 - 故郷へ帰る:Return home
旅を終えて帰還します。旅で得た恩恵を元の世界に還元します。
「私はこの人達の幸せのために戦ってきた」などと、自分の使命を実感するステージです。
この後、新しい旅の準備、又は後継者を育てるなどの新しい環境で、もう一度ステージ1から再出発する場合があります。
螺旋階段を上がっていくように、レベルを上げながら8つのステージを回っていくようなイメージです。
私たちの人生がヒーローズ・ジャーニー
何故、文化や歴史の異なる国や民族で、また、時代を越えて今も昔も、このようなワンパターンのストーリーに多くの人は魅了されるのでしょうか?
そこには人類共通の普遍的な価値観や、人々が求める生き方があるに違いありません。
このヒーローズ・ジャーニーは、単なる物語の雛形ではなく、私たちの人生そのものがそのような法則で進行するから、と見ることができます。
私たちの人生そのものがヒーローズ・ジャーニーであるならば、コーチはクライアントが今遭遇している状況に対して「ヒーローズ・ジャーニーのどのステージなのか」を分析して、「このステージの場合は、どう乗り越えたら良いのか」という教訓を得たり、ヒーローだったらどう対処するのか、アイデアを得たりすることができます。
次回は、コーチングにヒーローズ・ジャーニーを活かすヒントをお届けします。
ご期待ください。
この記事へのコメントはありません。