コーチングスキル
コーチングを機能させるためにはスキルも必要ですが、マインドがさらに大切です。
マインドも含めてスキルとして紹介するケースが多いですが、今回は改めてコーチングスキルとコーチングマインドを分けて考えてみます。
コーチングスキルの分類は、提供者によって多少の違いが見られますが、私は次のように考えています。
- 傾聴
- 共感
- 承認
- 質問
詳しいスキルの説明はここでは割愛いたしますが、方法や手段、具体的な行為や関わり方などが示されています。
コーチングマインド
では、コーチングマインドとはどのようなものでしょうか?
上記スキルの背景にある考え方、どのようなつもりで実践するのか、という部分がマインドになります。
例)「傾聴」シーン
- 「この人の考えは間違っているが、とにかく黙って最後まで話しを聴こう」
- 「へー、そう考えるんだ! どうしてそんな考えをもったんだろう?」
上記2つの例は、外面は相手の話を聴くことで一致していますが、内面は全く違います。
後者がコーチングマインドを持った聴き方と言えますが、相手に与える影響も当然異なってきます。
厳密に言うと、前者は「傾聴」ではなく、後者のようなマインドも含めて「傾聴」と定義しているのがコーチングやカウンセリングです。
言葉が一般の単語としても存在しているため、手法としてのスキルが先行しマインドが置き去りにされないよう、今回は敢えてマインドにフォーカスを当てています。
例)「質問」シーン
- 「何故それが出来なかったんですか?」
- 「それが出来たらどうなりますか? or どうしたら出来ますか?」
前者は出来ない理由を尋ねています。後者は出来る理由を尋ねています。
どちらも同じ出来事に関する質問をしていますが、質問の方向性が異なる背景にマインドの違いがあります。
「この人は出来る」と思っているのが「コーチングマインド」です。
それを本当に信じている人は、聴く姿勢や質問が、信じていない人とは全く異なり、未来をありありとイメージできるようになってきます。
もしパターンとしての質問スキルを身に付けたとしても「この人は出来る」と信じていなければ、生きたスキルとはならず効果は期待できません。
コーチングマインドを持った上で、スキルを活用することで、効果が発揮されコーチングが機能するようになります。
コーチングマインドとは
私はコーチングの大原則を以下の3点にまとめています。
- 人は誰もが自分で答えを見つけ出す力を持っている
- 人は誰もがパーフェクトな存在である
- 人は誰もが限りない可能性を持っている
これがコーチングマインドのベースになると考えています。
各項目を補足します。
- 人は誰もが自分で答えを見つけ出す力を持っている
相手の中に答えがあることを確信していれば、深い傾聴ができ、答えを引き出すような質問ができるようになります。 - 人は誰もがパーフェクトな存在である
何でもできる万能な人、という意味ではなく、この人は唯一無二の存在として完成できる道があり最高に光り輝く舞台がある、という意味です。
「この人が輝ける場所ってどんなところだろう?」と思いながら関わると、自然にそこへ向かっていくようになります。 - 人は誰もが限りない可能性を持っている
本来人間が持っているパワーは計り知れません。
眠っている潜在力を引き出すことができるのがコーチングです。
何故眠っているのか、何故引き出すことが可能なのか、これらに関するエビデンスもあり、近年はサイエンスとしても説明できる時代になってきました。
上記の考え方の背景には心理学の影響もあります。
もし自分のマインドがまだコーチングマインドではないと感じている方には、それらの素養を身につけることも良い方法だと思います。
しかし、学者や研究者が必ずしも良いコーチになれるわけではありません。
学問として知識を得ることと、考えなくても自然な振る舞いとして身についているかどうかは別だからです。
自分にとってはどのようなバランスが相応しいのか、理想の状態をイメージしながら、必要なスキルとマインドを身につけることをお勧めします。
そして最も良い方法は、信頼できるコーチからコーチングを受けることで、新しいマインドセットを手に入れることです。
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