年の瀬になると1年を振り返る機会を持ったり、翌年以降の目標を立てる方がおられると思います。
目標を着実にクリアし、より大きな目的に向かって進んでいく人もいれば、なかなか目標を達成できない、あるいはいつの間にか目標を忘れ、その場の環境に流されてしまう人もいるかと思います。
このような違いはどこから来るのでしょうか?
人生は思い込みで決まる
アドラー心理学の認知論に「人生は思い込みで決まる」というアドラーの言葉が紹介されています。
思い込みだけで人生が決まるとはどういうことでしょうか?
例えば、「私は幸せになれる」と思い込んでいる人は、不幸なことが起きても「今はこんな状況でも、いずれ幸福が訪れる」と信じているので、再び立ち上がってチャレンジします。
「私は幸福にはなれない」と思い込んでいる人は、不幸なことが起きると、「やっぱりこうなるんだ」と納得して、それ以上チャレンジすることはありません。
「幸福とは言えないけど、まぁそこそこの人生」と思い込んでいる人は、不幸なことが起きると「もう少し良くなるはずだ」と思っているので、そこそこの努力をして、そこそこの人生を手に入れます。
つまり、人生が思い込みで決まるというのは、思うだけで魔法のように環境が変わるのではなく、思っている通りの行動をとることによって、自らその現実を作っていると考えられます。
人生脚本
アメリカの心理学者エリック・バーンは、「人生脚本」という理論を提唱しています。
人生脚本とは「人は幼いころにこんな人生を生きるという脚本を書き、その通りに生きる」というものです。
例えば、「結婚と離婚を繰り返す」とか、「仕事が長続きしない」などは、本人にそのつもりがなくても、成り行きでそうなってしまうとことが多いと思います。
「人生脚本」は、潜在意識の中にある私の人生観や世界観で作られていて、普段は意識していない強い信念や価値観が土台にあります。
そのため、どんなに抗っても、本人が望まなくても、脚本通りに進んで行くことになります。
人生を変えたければ、好転させたければ、この「思い込み」や「人生脚本」を書き換えれば良いということになります。
人生脚本の書き換え
「人生脚本」の構成要素は、主に幼少期に受けた親の言動による影響が大きいと言われています。
例えば、「○○してはいけない」「○○しなければいけない」などの否定語を、幼い頃から毎日シャワーのように浴びて生活する子供は、どのように成長するでしょうか?
「これが真実」となり「これをしない自分はダメなんだ」という考え方が定着し、自己否定感も持ちやすくなります。
このようにして描かれた「人生脚本」を、書き換えることは可能でしょうか?
まず、自分の中でそれが「あたりまえ」であり、「真実」や「真理」のようになっている場合、自分で書き換えることは大変困難です。
また、第三者に「それは間違い」「こうした方が良い」と理論的に諭されても、自分の信念・価値観を否定されることになるため、かえって書き換えは難しくなります。
コーチの役割
ここでコーチの役割が大変重要になります。
「そのような環境であれば、そのような信念・価値観を持つのは仕方のないこと」「その人生脚本は間違っていない」と受けとめ、全てを承認できるのがコーチです。
さらに「そんな中でよく頑張ってきた」と寄り添い、共感してくれるコーチがいれば、自己否定感から少しずつ解放されるでしょう。
その上で、もっとどうしたかったのか、これからどうしたら良いのかを考えられるようになれば、思い込みが緩み、脚本の書き換えも可能になってきます。
この機会に、自分は自分の人生をどう見ているのか、本当はどんな人生を望んでいるのか、誰かにじっくりと話を聴いてもらう、又は一度紙に書き出してみることをお勧めします。
あまり話せる相手がいないという場合には、信頼できるコーチを頼ってください。
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