GROWモデル
過去の記事「コーチングの大原則」で「GROWモデル」をご紹介しました。
https://adpa.site/coaching/grow-model/principle/
GROWモデルとは、以下の項目を確認していくコーチングの基本モデルです。
- Goal:目標や目的を現状に縛られず自由に発想し、そして出来るだけ具体的に描く
- Reality:Goalに対して現状はどうなっているのか現場検証するつもりで確認する
- Option:GoalとRealityのギャップが明確になった上で、何をすればGoalに近づくのか、何ができるのか選択する
- What,When,Who,Will:何を、いつ、誰が実行するのか、ほんとに実行する意志があるのか確認する
今回は、GROWモデルの次の段階で行ったら良いプロセスをご紹介します。
「行動」と「観察」
GROWモデルの最後の「W」は、主に行動面を指しています。
コーチングは、精神的な癒しの側面も含んでいますが、それが目的ではなく、気づきや認知の変化によって自ら行動を起こし、夢や目標を具体的な形にしていくことに主眼を置いています。
つまり、GROWモデルの「W」について、その後具体的に何をしたのか(行動)、その結果「どうなったのか」(観察)、この2点を確認することが大切なプロセスになります。
- 「行動」
(Goal・Optionに対して)何をしましたか? - 「観察」
やってみてどうでしたか?
結果から何が分かりましたか?(学び) - 「次の行動」
(学んだ結果)次は何をしますか?
それをするとどうなりそうですか?(予測)
その後も「結果を観察」→「次の行動」を繰り返すことで、学びと成長と共に、Goalに近づいていきます。
GROWモデルのプロセスを経なくても、何かに向かってチャレンジしている人には、その結果が成功・失敗に関わらず、その体験で何を学んだのか、どんな成長ができたのかに注目してください。
勇気づけ
上記「行動」⇔「観察」のサイクルを回していくためには、エネルギーが必要です。
そのエネルギーとは「自己肯定感」であったり、「他者に対する信頼」であったり、「未来に対する希望」であったり、「感謝」のようなものかもしれません。
アドラーは、このエネルギーの事を「勇気」と表現しています。
行動した結果、成果が得られず落胆したり、他者からの非難などで「勇気」を挫かれると、学びが得られなかったり、次の行動に進すむ力を奪われます。
勇気を挫かれた人には、次の行動を促す働きかけをすることよりも「勇気づけ」をすることがコーチにとって大切な仕事になります。
では、どのように「勇気づけ」をしたら良いのでしょうか?
「勇気づけ」の基本はコーチングのスキル
勇気づけの手法は様々な媒体で紹介されていますが、実はコーチングの基本的なスキルでカバーすることが出来ます。
それは、「傾聴」であり、「共感」であり、「承認」であり、「質問」です。
夫々の内容については以下のページをご参照ください。
- 傾聴:https://adpa.site/coaching/active-listening/active-listening/
- 積極的傾聴:https://adpa.site/coaching/active-listening/active-listening-2/
- 共感:https://adpa.site/coaching/empathy/empathy/
- 承認:https://adpa.site/coaching/acknowledgement/acknowledgment/
- 質問:https://adpa.site/question/question-and-awareness/
- ニューロ・ロジカル・レベル:https://adpa.site/nlp/neuro-logical-level/human_consciousness/
そもそも「勇気」自体はコーチが与えるものではなく、元々本人の中にあるものです。
コーチは、相手の中に潜んでる「勇気」を引き出してあげた上で、何をするのか、「行動」を聴き、その結果どうだったのかを「観察」し、一緒に学んでいくことを繰り返します。
これはコーチ・クライアントの関係だけでなく、親と子、上司と部下、先生と生徒、夫婦、ビジネスパートナー等々、どんな人間関係にも応用できます。
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