予めお断りしておきますが、コーチングはスピリチュアルとは違います。
コーチングセッションの中で、死後の世界や霊的なものを拠り所にすることはありません。
しかしながら、クライアントの思想・信条を否定することなく、受容し伴走するのがコーチの基本姿勢なので、霊的な世界を信じる人も、霊的な世界を信じない人も、対等にコミュニケーションをとります。
クライアントの中には、霊的なこと、宗教的なこと、超常的なことをお話しされる方もいます。
最終的なコーチングの出口は、クライアント自身がどうしたいのか、ゴールはどこか、そのために何ができるかです。
あくまでも主体は人間であり、本人が自分で意思決定することが重要なため、霊的な内容も無視はせず伺いますが、拠り所にはしないということです。
その上で、最近体験した興味深いコーチングセッションをご紹介します。
お父さんからのメッセージ
クライアントは40代後半の女性で、お父さんは既に亡くなられています。
その方のお名前を仮にAさんといたします。
Aさんは、コーチングセッションを何度か受けられていました。
お父さんとのこと、お母さんとのこと、お姉さんとのこと、過去の様々な出来事によって生じた、悩みや苦しみ、葛藤などを吐露されながら、生きる意味や目的を模索されています。
ある日Aさんは、未明に目が覚め、ある思いが湧き上がってきてペンを取ったそうです。
亡くなったお父さんが、今までの経緯を見聞きしていたらしく、コーチに伝えてほしいとのことで、その思いを手紙にしたためました。
次のコーチングセッションの際に、そのお手紙を拝見しました。
8ページほどの便箋には、次のようなことが書かれていました。
- 娘がそのようなことで悩んでいるとは思わなかった
- 初めはコーチングに行くことを反対していたが、コーチングを受けて良かった
- 生前にできなかったことを悔いている
- 今となってはどうすることもできない
- コーチにとても感謝している
コーチングによる故人との意思疎通と和解
手紙の文章は、Aさんとは全く違う文体や表現で、お父さんの思いが綴られている印象です。
私は、生きている人と全く変わらない思いがそこに込められていることと、あの世に行っても、Aさんが自分の思いを表現しないと、お父さんには伝わらないんだ、ということを理解しました。
逆に、コーチングによって、亡くなった方との意思疎通、和解も可能になることを考えると、改めてコーチングの重要性を痛感しました。
当日のコーチングセッション終了後、Aさんから「『今回のコーチングも良かった』と父が言っています」と言われ、帰宅途中には、生前Aさんに言い放った言葉について詫びられたり、「まだまだこれからだ」「安心した」「目的に向かって大成していけることを楽しみにしている」など、伝えてきたそうです。
Aさんは元々このような感性をお持ちなので、今回の出来事も珍しいことではないようです。
しかし、私にとって今回の出来事は奇跡的であったし、次のような確信を得ました。
- 亡くなった人も一緒にコーチングに参加している(必要に応じて)
- 生きている人にも亡くなっている人にも、コーチングの効果がある
- 生きている人も亡くなっている人も、コーチングによって分からなかったことが分かったり、お互いのことを理解したり、和解することができる
目に見えない世界とのコミュニケーション
このような現象は信じられないし、単なる妄想ではないか、と思う方もいるかと思います。
仮に妄想だとしても、クライアントの中で課題が解決し、望ましい未来に向かって歩むきっかけになれば良いと思っています。
そして、私のコーチングスタイルは、目に見えない世界も含めてコミュニケーションをとりますので、クライアントの中から湧き上がってくる声にも耳を傾け、直ぐそばに亡くなられた人が居れば、その人の意見も聴くし、必要であれば対話をします。
大切なのは、それがクライアントが生きていく上で役に立つ情報なのかどうか、ということです。
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