「クリエイティブ」と聞くと、アーティストやデザイナー、ものづくりに携わる人を思い浮かべる方が多いかもしれません。
クリエイティブという言葉の意味は、「創造的、独創的」、クリエイティビティと言うと、「創造性、独創力」となります。
もっとかみ砕いて言うと、自分のアイデアを形にして表現することです。
アーティストにとっては、とても大切な能力です。
しかし、アーティストだけがクリエイティビティを持っているのではなく、誰の中にもクリエイティビティはあり、実は全ての仕事に必要な要素であることは、あまり知られていません。
仕事で生かされるクリエイティビティ
幾つかの場面を想定してみます。
例_1:営業の仕事
- 同じセールストークで訪問しても、実績が出ない。
→ 相手を観察して、違う切り口で話してみる(クリエイティブ)
例_2:会計の仕事
- 数字を間違えずに、正しく帳簿に入力するのが私の仕事。
→ 手入力ではなく、自動化する方法はないか(クリエイティブ)
例_3:中間管理職(上司の補佐)
- 自分には権限がなく、上司からの指示を部下に伝えるだけ。
→ 相手が思わず笑ってしまうようなユニークな伝え方をしてみる(クリエイティブ)
上記のように状況だけ見るとつまらなく思えたり、あまり価値を感じられない仕事でも、創造的に取り組むことによって、楽しくなったり業績を上げたりすることに繋がります。
今の環境は私が作っている
クリエイティビティを発揮する場面は、仕事だけではなく私たちの生活全般に関わっています。
私が今まで話を聞いてきた人の大半は「自分が生きているこの環境や社会は、どう抗っても変えることはできない」という考えを持っていました。
しかし、コーチングの観点は違います。
今の状況を作っているのは自分自身である、という見方をします。
今生きている環境が好ましくないのであれば、それを変えれば良いのであって、「あの人が悪い」とか「環境が悪い」と言っているだけでは、状況は変わりません。
つまり、その様に見ていることで、その状況は維持され、むしろ強化されることもあります。
それを打開する力になってくれるのが、クリエイティブな思考です。
自由な発想、深い洞察力、多面的な視野を持つことによって、今まで見えなかったものに気がついたり、新しいアイデアが生まれたり、有効な方法や手段が思いついたりします。
創造性を発揮する方法
では、どうしたらクリエイティブに生きることができるのでしょうか?
一番のお勧めは、信頼できるコーチからコーチングを受けることです。
コーチングによって、自分の思考の枠が取り払われ、今まで見えていなかったものに気がつき、新しいアイデアが生まれます。
もう一つ、自分だけで出来るとっておきの方法をご紹介します。
これは、米国の作家ジュリア・キャメロンの著書「ずっとやりたかったことを、やりなさい」の中で紹介されている、創造性を発揮するための方法論です。
基本的に行うことは次の二つです。
1. モーニング・ページ
- 朝起きたら、手書きの文章を3ページほどノートに書く
- ただ手を動かし、心に浮かんでくるものをそのまま書きとめる
- どんな気分の時でもただ書けば良い
- 何を書いても良いし、どんなに馬鹿げたことでも構わない
- 他人の目には触れさせない
- 最初の8週間は自分も読み返さない
2. アーティスト・デート
- 自分の内なるアーティスト(創造的な子供)を、外に連れ出し話を聞いてあげる
- 週に一度、2時間程度、素直に「やりたい」と感じられることに時間を割く
- お金をかける必要はない(子供にとって親と過ごす時間はお金よりも重要)
- 何をしても良いが、アーティスト・チャイルドの言い分もきちんと聞いてあげる
(例:こんなクソまじめなものは嫌い!) - それから逃れようとする自分の心の動きも観察する
モーニング・ページは、脳の排水という表現もあり、余計なものを排出させる効果があります。
それによって、論理脳を一旦停止させ、アーティスト脳の働きが活性化されます。
アーティスト・デートは、新しい自分の発見や創造性が回復するきっかけになります。
モーニンングページは送信、アーティスト・デートは受信とも言われています。
本来人間は誰もが創造的な生き物です。
自分の内にいるアーティスト・チャイルドの存在に気がつき、その声に耳を傾け、一緒に楽しんでみてください。
創造性が回復し、生活に生かしていくことで、より自分らしく豊かな人生になることを信じています。
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